非力学的な魔法界の空気力学


空気力学とはなんぞや

本編や「クィディッチ今昔」に度々でてくる言葉がある.
それは「空気力学」.考えてみると,実に奇妙奇天烈な「力学」である.

今昔に言う.「ハシバミの小枝が荒っぽく束ねられ,快適さも空気力学もない.」(17頁).
同じく,「マグルの描く魔女の姿には,必ず箒が描かれている.これらの図はバカバカしいものであるが
(マグルの書くような箒では,一瞬たりとも空中に浮かんでいられないだろう)
」(37頁).
また3巻に曰く,「尾の部分はシラカンバの小枝を1本1本厳選し,
砥ぎあげて空気力学的に完璧な形状に仕上げています.
」(68頁)
フーチも言う.「ニンバス系の箒に問題があるとすれば,それは尾の先端にわずかの傾斜があることですね
−−数年もたつと,これが抵抗になってスピードが落ちることがあります.
」(330頁)

これらは,重要な点がすっぽりと抜けている.
それは,箒には人が乗る,ということである.
人が乗る以上,いくら枝を厳選しても,箒をしこしこ磨いても,全くの無駄である.
そもそも,どういう箒だったら飛ぶのか,ちゃんと教えて貰いたいな.
挿し絵や映画を見る限り,こちらの世界の箒と全く変わらないのだが.
また,「シラカンバの枝を・・・」は「炎の雷」の広告であるが,
こんないらんことをした所為で高くなったんじゃないのか?
よけいなコストを増やさんで下さい.


魔法世界は物理法則に忠実か

では,この念仏のように唱えられる「世界平和」・・・じゃなかった「空気力学」などの物理法則は,
どのくらい守られているのか.
魔法自体に異論を挟むつもりはない.
それをやったら全否定しなければならなくなる.

 授業用箒の項でも触れたが,「流れ星」は,慣性を完全に無視している.
グリンゴッツのトロッコも同じ.
特に,アイザックさん(ニュートン)の物理法則は,無視されっぱなしである.
であるのに,この人達が,空気力学と口を酸っぱくして言うのは何故だろう.
むう.こうなったら,「魔法空気力学」とでも呼ぶか.
うむ,これで万事解決.めでたしめでたし.

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