爆彈三勇士
與謝野寛 作詞 辻順治 作曲
廟行鎭(べうかうちん)の 敵の陣
我の友隊 すでに攻む
折から凍る 二月(きさらぎ)の
二十二日の 午前五時
命令下る 正面に
開け歩兵の 突撃路
待ちかねたりと 工兵の
誰か後(おくれ)を とるべきや
中にも進む 一組の
江下 北川 作江たち
凛たる心 かねてより
思ふことこそ 一つなれ
吾等が上に 戴くは
天皇陛下の 大御稜威(おほみいつ)
後に負ふは 國民の
意志に代れる 重き任
いざこの時ぞ 堂々と
父祖の歴史に 鍛へたる
鐵(鉄)より固き 忠勇の
日本男子を 顯(あら)はすは
大地を蹴りて 走りゆく
顏に決死の 微笑あり
他の戰友に 殘せるも
輕く「さらば」と 唯一語
時なきまゝに 點(点)火して
抱き合ひたる 破壞筒
鐵條網に 到りつき
わが身もろとも 前に投ぐ
轟然おこる 爆音に
やがて開ける 突撃路
今わが隊は 荒海の
潮(うしほ)のごとくに 躍り入る
あゝ江南の 梅ならで
裂けて散る身を 花となし
仁義の軍(いくさ)に 捧げたる
國の精華の 三勇士
忠魂Cき 香を傳(伝)へ
永く天下を 勵ましむ
壯烈無比の 三勇士
光る名譽の 三勇士
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