軍用犬行進歌

作詞者不詳  陸軍戸山學校軍樂隊 作曲


軍用犬行進歌

伏すも走るも 命のまゝ
獸か人か 靈妙(霊妙)の
汝(なれ)が能力(ちから)は あらはれて
武勳燦(さん)たり 金鵄章(きんししやう)
勇武の戰士 軍用犬

硝煙彈雨 そが中を
潛(くゞ)りつ拔けつ 傳令の
重き使命に 身を捨てゝ
敢然向かふ その勇姿
稱(称)ふべきかな 軍用犬

斥候 すでに倒れ臥(ふ)し
報告の任 汝にあり
野越え川越え 本隊に
もたらす手記は 血(あけ)に染む
ョ(頼)むべきかな 軍用犬

戰地くまなく 馳せ巡り
傷痍(いたで)に惱(悩)む 將兵に
藥繃帶(薬包帯) 捧げつゝ
看護につくす この天使
愛すべきかな 軍用犬

戰雲暗く 火花散る
第一線の 勇卒(つはもの)が
命とたのむ 彈藥を
運びて重き 汝が任
感ずべきかな 軍用犬

あゝ戰場に華と咲く
可憐の戰士 汝ありて
烈烈の士氣 いや奮ひ
不逞(ふてい)の妖魔 影空(むな)し
皇國(みくに)の護り 軍用犬





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