螢(螢の光)

稻垣千穎 作詞  スコットランド民謡


螢の光 窓の雪
書(ふみ)よむ月日 重ねつゝ
いつしか年も すぎの戸を
明けてぞ今朝は 別れゆく

とまるも行くも 限りとて
肩身に思ふ 千萬(ちよろづ)の
心のはしを 一言に
さきくとばかり 歌ふなり

筑紫(つくし)の極み 陸(みち)の奧
海山遠く 隔(へだ)つとも
その眞心は 隔てなく
一つに盡(尽)くせ 國の爲

千島のおくも 沖繩も
<臺灣(台湾)の果ても 樺太も>
八洲(やしま)の内の 守りなり
至らん國に 勳(いさを)しく
つとめよ我がせ 恙(つつ)がなく





学校では2番までしかやりませんが,3番4番があります.
<臺灣(台湾)の果ても 樺太も>は昭和17年度改訂の標準軍歌集に載っていました.詳細は不明ですが,日露戦役の後になって作られたものでしょう.

この曲はスコットランド民謡に詞を付けたものですが,同じ曲に別の詞を付けたものがあと2つあります.

別れ

大和田建樹 作詞


今日は手を取り 語れども
明日は雲居の よその空
行くもとまるも 國の爲
勇み進みて 行けよ君

名殘盡きねど 健やかに
御稜威(みいつ)畏み 戴きて
八重の潮路も 安らけく
重き務めを つくせかし

殘る煙の 絶え絶えに
消えゆく山の 影淡く
仰ぎ馴れたる 富士の嶺も
別れを空に 送るらん


訣別

有栖川宮威仁親王 作詞


今度われわれ 國の爲
遠く隔てて 行くとても
大御心に(おほみこゝろ) 叶ひなば
など惜しからん 我が命
せめて盡くせよ 大君に
せめて盡くせよ 大君に


以上,参考までに.


戻る