我は海の子

文部省唱歌


我は海の子 白浪の
騷ぐ磯邊の 松原に
煙棚引く 苫屋こそ
我が懷かしき 住家なれ

生まれて潮に 湯浴み(ゆあみ)して
浪を子守の 歌と聞き
千里寄せ來る 海の氣を
吸ひて童(わらべ)と なりにけり

高く鼻突く 磯の香に
不斷の花の かをりあり
渚の松に 吹く風を
いみじき楽(がく)と我は聞く

丈餘(ぢやうよ)の櫓櫂(ろかい)操りて
行手定めぬ 浪枕
百尋千尋(ももひろちひろ)の 海の底
遊び慣れたる 庭廣し

幾年(いくとせ)此處(こゝ)に 鍛へたる
鐵(鉄)より堅き 腕(かひな)あり
吹く潮風に 黒見たる
肌は赤銅(しやくどう) さながらに

浪に漂ふ 氷山も
來らば來れ 恐れんや
海卷き上ぐる 龍卷も
起らば起れ 驚かじ

いで大船で 乘出して
我は拾はん 海の富
いで軍艦に 乘組みて
我は護らん 海の國





此の歌,実は7番まであります.(学校では3番までしかやらなかった.)
この歌のように長い為(7番は別)歌詞が省略される歌がよくあります.

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